サッカーのシステム、フォーメーション、戦術を徹底分析
4-4-2(ダイヤモンド)
4−4−2(ダイヤモンド)システムは、ディフェンシブハーフを1枚とする4−4−2システムの変形型です。ここでは4−4−2(ダイヤモンド)システムの概要を説明します。
システムの特徴
4−4−2(ダイヤモンド)システムは、4−4−2システムのセンターハーフを横ではなく、縦に並べた中盤構成が特徴です。FWの近くにオフェンシブハーフを配置することができ、オフェンス時のパターンが多くなります。ディフェンシブハーフ(ボランチ)が1枚なので、相手のセンターアタックに対して脆さがあります。
オフェンス戦術
サイドバック、センターアタックと もに機能しますが、センターアタックにおいてより優位な形を形成できるでしょう。特にオフェンシブハーフ(トップ下)は、FWを追い越した飛び出し、FWやサイドアタッカーへの配給、ミドルシュートと多彩な能力を発揮できるポジションです。3トップへのシステム変更にも柔軟に対応できるでしょう。
ディフェンス戦術
ディフェンシブハーフ(ボランチ)が1枚であるため、中央でのプレッシングよりもサイドに追い込んだディフェンスを採用すべきでしょう。オフェンシブハーフの戻りやサポートにどれだけ期待できるか分かりませんが、たいていの場合はセンターが手薄になるため、サイドハーフが中に絞るなど、相手のセンターアタックに対する役割分担を明確にしておく必要があります。
キーポジション
- オフェンシブハーフ(トップ下)
- ディフェンシブハーフ(ボランチ)
この戦術を採用する理由の一つは、オフェンシブハーフの能力を最大限に発揮するためです。オフェンス時の多彩な攻め上がり、パターンを実現することができるため、オフェンシブハーフの能力は非常に重要と言えます。
また、ディフェンシブハーフの守備意識、ロングパス精度、スタミナもチーム全体のパフォーマンスに大きく影響します。ACミランのピルロのようなレジスタタイプや、フランクフルトの稲本のようなクラッシャータイプなど、選手の適性によってさまざまな戦術を試すことができるため、チームの選手構成に適用するパターンが多いことも特徴です。
戦術上の弱点
前述のとおり、ディフェンシブハーフが1枚であるがゆえ、相手のセンターアタックには人数的に不利な状況が多く発生します。サイドハーフの中への絞り、オフェンシブハーフのプレッシングなど、中盤でのディフェンス時のルールを明確にする必要があります。ディフェンシブハーフが敵に釣り出されてしまうと、バイタルエリアではセンターバックが対応することになり、非常に危険な場面を招いてしまいます。このようなリスクもあり、近代のサッカー戦術ではあまり採用されなくなりました。
4−4−2(ダイヤモンド)システムを採用する主なチーム
- ACミラン
- インテル
- ユベントス
- ラツィオ
- パレルモ
- チェルシー
- バイエルン・ミュンヘン
- ボーフム
- フランクフルト
- ドルトムント
- レバークーゼン
- ハノーファー
- ボルドー
- スポルティング