サッカーのシステム、フォーメーション、戦術を徹底分析

3-4-3(ダイヤモンド)

3−4−3(フラット)と同じように、アルゼンチン代表が多様するシステムである3−4−3(ダイヤモンド)システムについて解説します。

システムの特徴

3−4−3システムは、フィールド全体に均等に選手を配置し、攻撃的な選手の能力を十分に発揮させることに効果のあるシ ステムです。特にフォワードの3人はセンターアタック、サイドアタックともに機能させることができ、ミッドフィルダーの両サイドハーフによる攻撃参加も強烈です。
オフェンシブハーフとディフェンシブハーフをそれぞれ1枚ずつ配置しているため、フォワード、ディフェンダーへのサポートがしやすい陣形です。

オフェンス戦術

フォワードの両ウィングによる縦への突破、中央への切り込みなど、多彩なポジショニングによって効果的な攻撃を仕掛けることができます。これらは4−3−3システムのウィングの動きと同様になります。4枚に並んだミッドフィルダーは、前線の3人をサポートする形でポジショニングし、パス、ミドルシュートなどでチャンスを作ることが求められます。両サイドハーフは、同じサイドのウィングを追い越す形でオーバーラップすることで、相手のサイドを攻略することができるでしょう。
3枚のフォワードに加え、オフェンシブハーフ、サイドハーフが攻撃参加することで、非常に厚みのある攻撃が可能です。全システムの中で最もオフェンスに人数をかけたシステムと言えるでしょう。
 

ディフェンス戦術

中盤と前線によるプレッシングからのショートカウンターが効果的でしょう。ディフェンスの人数が少なく、相手のサイドアタックを苦手とするため、サイドハーフとストッパーの選手によるサイドのケアが必須です。
また、中盤のセンターを2列にしているため、縦方向に対するオフェンスはスムーズに行うことができます。

キーポジション

  1. センターフォワード
  2. ディフェンシブハーフ
  3. サイドハーフ

ディフェンシブハーフはディフェンス専門の選手を配置すべきでしょう。運動量、ポジショニングともに高レベルで行う必要があり、展開力に期待するのは酷でしょう。

戦術上の弱点

オフェンスは多彩な攻めを行うことができるので、さほど問題は見当たりませんが、ディフェンス面では大きなリスクを抱えたシステムです。ディフェンダーの人数が少ないこともありますが、中盤センターを2列にしているため、ディフェンシブハーフによるサポートが行き届かないリスクを常に抱えています。センター、サイドにおいて、ディフェンス時の人数の不利な場面がよく発生します。そのためにも、サイドハーフのポジショニングをあらかじめ後方にとるなど、3−3−1−3のシステムを採用することも多いです。

3−4−3システムを採用する主なチーム

  • アルゼンチン代表
  • オランダ代表
  • PSV