サッカーのシステム、フォーメーション、戦術を徹底分析

3-2-3-2

ウィングバック、オフェンシブハーフを前線に並べた3−2−3−2システムについて解説します。 ちなみに1998年、2002年ワールドカップの日本代表が採用したシステムでたまに形容されますが、日本代表が採用したのは3−4−1−2システムです。

システムの特徴

3−2−3−2システムは、ウィングバックとオフェンシブハーフを前線に上げたシステムです。ウィングバックが非常に高いポジションにあり、実際のゲームでは成立しないシステムとも言われています。フォワードの後方に3人が配置されているため、オフェンスは多彩な攻めを繰り出すことができます。

オフェンス戦術

ウィングバックがフォワードの両サイドを攻め上がり、センタリングによるサイドアタックが主体となります。フォワードが2枚であるため、中央にはあまりスペースが無く、中へ切り込むケースは少ないでしょう。

ディフェンス戦術

ディフェンシブハーフによって相手のセンターアタックを阻止し、ウィングバックによってサイドアタックを阻止することになります。ウィングバックが非常に高い位置にポジションを取るため、実際にはディフェンシブハーフやストッパーが空いたスペースをケアすることが求められます。中盤の人数が多く、プレッシングは比較的有効でしょう。

キーポジション

  1. ウィングバック
  2. フォワード
  3. ディフェンシブハーフ

過去にファンタジスタと呼ばれるオフェンシブハーフが非常に評価された時期があり、イタリアで流行したシステムです。ジダンやロベルト・バッジォなどがそのトップ下のポジションを務め、多彩な攻めに成功した経緯があります。

戦術上の弱点

ウィングバックに求められる運動量が非常に多く、90分間フル稼働することは難しいでしょう。ウィングバックが戻りきれない場面がしばしばあり、サイドのスペースを突かれることが非常に多く見受けられます。そのとき、ストッパーがサイドにずれるとディフェンスの中央にスペースができてしまい、非常に危険な状態を作られてしまいます。 ディフェンス時、特に相手のカウンターにはサイド、センターともに手薄になりがちです。人数の少ないサイドを突かれると脆さを露呈してしまいます。これらのディフェンス時のリスクは、3−5−2システムの中でも最も高いと言えます。 オフェンス時に、オフェンシブハーフへの依存度が高くなることがあります。ウィングバックがディフェンスに追われて、前線の3人が孤立してしまい、結果的に全体が縦に間延びしてしまうこともよくあります。

3−2−3−2システムを採用する主なチーム

  • ドイツ代表