サッカーのシステム、フォーメーション、戦術を徹底分析

4-2-2-2

4−2−2−2システムは、ブラジルのチームを中心に多くのクラブチームが採用するシステムです。ここでは4−2−2−2システムの概要について説明します。

システムの特徴

4−2−2−2システムは、中盤を2列に分けた構成であることが特徴です。オフェンシブハーフ、ディフェンシブハーフに役割を明確にすることで、オフェンス時とディフェンス時の切り替えをスムースに行うことができます。ブラジルやスペインのクラブチームでもこのシステムを採用するチームが多く、最近ではJリーグでも採用するチームが増えています。

オフェンシブハーフはセンターの位置とサイドの位置にポジションを取ることができますが、4−4−2システムと違ってサイドアタックだけでなく、センターアタックにも適性があると言えるでしょう。

オフェンス戦術

センターアタック、サイドアタックともに適性のあるシステムです。それにはオフェンシブハーフのポジショニングが重要になります。サイドバックのオーバーラップを促進するためには、前方のサイドのスペースを空けるためにもオフェンシブハーフが中に絞る必要があります。

ディフェンス戦術

中盤を2列にしたことで、ゾーンプレスなどの積極的なプレッシングにも向いています。オフェンシブハーフとディフェンシブハーフが、相手のそれぞれのポジションとマッチアップしやすく、マン マーク守備にも向いています。フォアチェック、リトリートともに適性がありますが、オフェンシブハーフの選手の仕事量が非常に多いため、たいていのチームではリトリートで対応するようです。

ディフェンシブハーフのうちの一人には、ショートパスやロングパスが得意なレジスタタイプの選手を、も う一方には対人能力やスタミナに優れたディフェンス専任の選手を配置することが、最もバランスのとれた組み合わせと言えます。ディフェンシブハーフの2人には、オフェンシブハーフの負荷をできるだけ低減するためのサポートと、サイドバックのオーバーラップのケアを求められます。

キーポジション

  1. オフェンシブハーフ
  2. サイドバック
  3. ディフェンシブハーフ(ボランチ)

オフェンシブハーフが主体となって攻撃を組み立てる戦術が適しており、前線でのプレッシングにも参加する必要があります。オフェンシブハーフとフォワードによる組み立てが攻撃のキーポイントです。

戦術上の弱点

戦術上、オフェンシブハーフへの依存度が非常に高く、オフェンシブハーフの動きによってチーム全体のバランスも左右されがちです。4−2−2−2システムを敷くチームでは、このポジションに対する選手補強を重視する傾向にあります。それゆえ、オフェンシブハーフのパフォーマンスが低いと、チーム全体のパフォーマンスも停滞することが多く、オフェンシブハーフへの徹底的なマークにより仕事をすることができない状態に陥った場合、脆さを露呈します。

ディフェンシブハーフの2人がゲームメイクに参加できなかったり、オフェンシブハーフやサイドバックのサポートが不十分な場合、チーム全体のパフォーマンスの低下を招いたり、相手のカウンターアタックの餌食になります。

4−2−2−2システムを採用する主なチーム

  • レアル・マドリード
  • アトレティコ・マドリー
  • セビージャ
  • ビジャレアル
  • マラガ
  • ヘタフェ
  • ラシン・サンタンデール
  • サラゴサ
  • アスレティック・ビルバオ
  • マンチェスター・ユナイテッド
  • アーセナル
  • マンチェスター・シティ
  • トッテナム
  • フルハム
  • ブラックバーン
  • アストン・ビラ
  • ウェストハム
  • バーミンガム
  • ウィガン
  • ボルトン
  • ポーツマス
  • サンダーランド
  • サンプドリア
  • ブレーメン
  • シュツットガルト
  • ヘルタ・ベルリン
  • ボルシアMG
  • ケルン
  • フライブルク
  • パリ・サンジェルマン
  • モナコ
  • オリンピアコス
  • ベンフィカ
  • ガラタサライ
  • AZ
  • トゥベンテ
  • ベジクタシュ
  • レンジャース
  • セルティック
  • ブラジル代表
  • フランス代表
  • 日本代表
  • 鹿島アントラーズ
  • ガンバ大阪
  • 浦和レッズ
  • FC東京
  • 川崎フロンターレ
  • 清水エスパルス
  • ベガルタ仙台
  • 横浜FC

4−2−2−2 システムを採用するチームは世界的にも非常に多いです。これは、別のシステムへの変更が容易であることがあげられます。特に劣勢に回ったときに3トップの システムを採用したい場合、各ポジションに対する適正をできるだけ維持できること、最小限の選手交代で実現できることが大きなメリットです。